COLLABORATION 03向井恭介さん(三重県/ハツリスト)

木が本来もつ素朴な
ぬくもりを引き出す手わざ

PROFILE

長年大工を生業とするかたわら、日本の古い建築に残る、木の表面をリズミカルに削った「ハツリ加工(名栗加工)」に魅せられ、自らマサカリやチョウナを振るいその技術を体得。古来は家づくりに欠かせない基礎技術であったハツリが、戦後、製材技術や流通の変化によって使われなくなり、その技を持つ職人も姿を消しつつある中、2015年よりハツリ専門の職人として工房を開設。銘木の柱のほか、表札や家具など、ハツリによって木のあたたかみを引き出した作品に、日本全国からオーダーが集まっています。

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森から伐り出した丸太を自動で製材できる
機械が普及する以前、大工たちは当たり前のように
チョウナという刃物で樹皮をハツリ
(削り)、
材木をあつらえていました。
人類が木を加工することを覚えた頃から
続いてきたであろう、最も原始的な手わざ。
その素朴な美を再評価したのは、
千利休はじめ侘茶の茶人たちだったとか。
ハツリが生み出す木の味わいはなぜ私たちを
魅了するのか、向井さんに聞きました。

昔は、家づくりにおける大工の仕事は、まず森から伐り出した丸太の樹皮をはぐことから始まりました。斧の一種であるチョウナという刃物を振るい、頃合いにハツって製材する技は、戦前の大工なら誰でも持っていたものだとか。
機械による製材が普及してからは、すっかり建築現場で使われることもなくなっていったハツリ。向井さんが大工修行を始めた頃には、その技を使いこなせるのは、一部の高齢の職人だけになっていました。
一方、若い頃から歴史的建造物を見て歩くのが好きだった向井さんは、古い民家の梁や茶室の床柱などに残るハツリを見るたび、その味わいに惹かれていきます。

そしてなんとかその技を体得したいと、マサカリやチョウナを手に入れ、日々の仕事のかたわら黙々と木を削る練習を重ねました。
次第に技術が上達してくると、さまざまな人から注文や相談が寄せられるようになります。やがて建築以外にもハツリを活かすことで、この技を次世代に遺していきたいと考えた向井さんは2015年にハツリ工房を開設。「ハツリスト」を名乗って、表札や木皿などの小物から、家具、建具に至るまで多彩な作例を手がけています。

昔は、家づくりにおける大工の仕事は、まず森から伐り出した丸太の樹皮をはぐことから始まりました。斧の一種であるチョウナという刃物を振るい、頃合いにハツって製材する技は、戦前の大工なら誰でも持っていたものだとか。
機械による製材が普及してからは、すっかり建築現場で使われることもなくなっていったハツリ。向井さんが大工修行を始めた頃には、その技を使いこなせるのは、一部の高齢の職人だけになっていました。
一方、若い頃から歴史的建造物を見て歩くのが好きだった向井さんは、古い民家の梁や茶室の床柱などに残るハツリを

見るたび、その味わいに惹かれていきます。そしてなんとかその技を体得したいと、マサカリやチョウナを手に入れ、日々の仕事のかたわら黙々と木を削る練習を重ねました。
次第に技術が上達してくると、さまざまな人から注文や相談が寄せられるようになります。やがて建築以外にもハツリを活かすことで、この技を次世代に遺していきたいと考えた向井さんは2015年にハツリ工房を開設。「ハツリスト」を名乗って、表札や木皿などの小物から、家具、建具に至るまで多彩な作例を手がけています。

「そもそも斧で木を削るハツリって、世界中どこにでもあった粗野な技なんですけど、そこに意匠としての美を見出したのが日本の茶人たちです。自然のままの侘びた味わいを愛でる独特の美意識によって、ハツリが数寄屋建築に使われるようになって、江戸の頃にはひとつの装飾技巧として発達した。これは日本ならではですね」と向井さん。「今では和風建築が減って、銘木屋さん(特殊な風趣をもつ高級材を扱う商店)もハツリの在庫を持たなくなりましたが、今でも“これじゃないとだめなんだ”というご注文はあるんです」とか。

柿渋に興味を持ったのは、まだ新人大工の頃。
「見習いはペンキ塗りでもなんでもさせられましたが、自分自身アレルギーがあってシンナー系の匂いも苦手で…。それで自然塗料について調べるようになったんです」と向井さん。古民家修復の現場で柿渋が使われているのを目にすることも多く、持ち前の好奇心を発揮して自ら柿渋を手に入れ、調色や塗装の実験を繰り返したそう。「飲んでも害がないぐらい自然なことや、地元・三重の伝統的工芸品である伊勢型紙にも柿渋が使われていることを知って、ますます興味が湧きました」

向井さんとトミヤマの柿渋がコラボしたスツールやベンチは、いずれも座面に杉、脚にヒノキや栗を使用しています。「木の中で一番あたたかみを感じるのは、ハツリをほどこした杉だというのが僕の持論で、その良さを最大限に感じてもらうための座面です。杉のもつ柔らかさがハツリによってさらに引き出され、冬でもひんやりしないんです」と向井さん。もともとハツリは斧で木を殴っているように見えることから別名「名栗(なぐり)加工」と呼ばれていますが、その当て字のとおり実際に栗の木が多用されていました。ハツリによって美しい模様が出る栗の木は銘木として珍重されていますが、肌当たりの触感で選ぶなら杉がおすすめとか。

もちろん柿渋とも好相性です。何年かごとに柿渋を塗り重ねたり、オイルを塗ったり、使い込むほどに経年変化を楽しめるのも魅力。
「人類が斧で木を削って暮らしに生かしてきた歴史の長さに比べれば、今のように機械製材された木を使うようになったのはごく最近のこと。ハツリのデコボコに触れるとなんとなく癒される気がするのは、僕たちの中にある人類共通の記憶が呼び覚まされるかもしれませんね」と向井さんは微笑みました。

向井さんとトミヤマの柿渋がコラボしたスツールやベンチは、いずれも座面に杉、脚にヒノキや栗を使用しています。「木の中で一番あたたかみを感じるのは、ハツリをほどこした杉だというのが僕の持論で、その良さを最大限に感じてもらうための座面です。杉のもつ柔らかさがハツリによってさらに引き出され、冬でもひんやりしないんです」と向井さん。もともとハツリは斧で木を殴っているように見えることから別名「名栗(なぐり)加工」と呼ばれていますが、その当て字のとおり実際に栗の木が多用されていました。ハツリによって美しい模様が

出る栗の木は銘木として珍重されていますが、肌当たりの触感で選ぶなら杉がおすすめとか。もちろん柿渋とも好相性です。何年かごとに柿渋を塗り重ねたり、オイルを塗ったり、使い込むほどに経年変化を楽しめるのも魅力。
「人類が斧で木を削って暮らしに生かしてきた歴史の長さに比べれば、今のように機械製材された木を使うようになったのはごく最近のこと。ハツリのデコボコに触れるとなんとなく癒される気がするのは、僕たちの中にある人類共通の記憶が呼び覚まされるかもしれませんね」と向井さんは微笑みました。

COLLABORATION ITEMS

柿渋+蜜蝋ワックス仕上げ

ひょうたんスツール

3 本足がユーモラスな、オブジェのような家具。
亀甲模様のようなハツリ加工が、歳月とともに味わいを深めます。

  • 【寸法】幅 430× 奥行 ( 最大で)240×高さ 520mm
  • 【材質】杉(座面)・ひのき(脚)
  • ◆無塗装/柿渋塗装/柿渋+ 蜜蝋ワックス仕上げの
    3タイプからお選びいただけます。
  • ◆こちらの商品は受注生産品となり、お届けまで
    2ヶ月程度お時間を頂戴します。
  • ◆脚の高さは変更できますのでご相談ください
無塗装 ¥38,880(税込)
オイル仕上げ ¥41,040(税込)
柿渋+オイル仕上げ ¥43,200(税込)
柿渋+蜜蝋ワックス仕上げ

ベンチ

2人がけできるサイズのベンチは使い道いろいろ。
ハツリの風合いは、置いておくだけで絵になり、愛着が深まります。

  • 【寸法】幅1200 × 奥行360 × 高さ450mm
  • 【材質】杉(座面)・栗(脚)
  • ◆無塗装/オイル仕上げ/柿渋+オイル仕上げの
    3タイプからお選びいただけます。
  • ◆こちらの商品は受注生産となり、
    お届けまで2ヶ月程度お時間を頂戴します。
  • ◆ハーフサイズのベンチも制作できますので
    ご相談ください。
無塗装 ¥81,000(税込)
オイル仕上げ ¥84,240(税込)
柿渋+オイル仕上げ ¥86,400(税込)
杉  亀甲なぐり  15cm×15cm

表札

家の顔となる表札を、
オーダーメイドのハツリ加工で。
歳月を重ねるほどに風格が増します。

  • ◆こちらの商品は受注生産となり、お届けまで
    約2週間ほどお時間を頂戴します。
  • ◆ご注文をお受けしてから、ご希望の字体や
    木種、サイズ、塗装仕上げなどを
    直接作り手が
    メールでお伺いします。
木種・塗装仕上げにより
¥12,960 ~¥16,200(税込)
  • 松 9cm × 21cm松 9cm × 21cm
  • ケヤキ 12cm×15cmケヤキ 12cm×15cm
  • 杉 亀甲なぐり 拡大杉 亀甲なぐり 拡大

掲載商品は、受注生産を承ります。

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